
【コーヒー色ひとつで描く、あたたかなアート】
みつとみ。さんは、主に札幌市内で活動しているコーヒーアート作家です。普段は市内のカフェスタッフとして働きながらコーヒーアートを描き、ポストカードの作成や個展を開催しています。
みつとみ。さんのアートの特徴は「コーヒー色」ひとつで描くというもの。ていねいに濃淡をつけながら、影や立体感、奥行きを表現し、人物や風景など様々な観点からアートを描いています。色の温かさが感じられるのも、コーヒーアートならではの魅力です。

高校生の時から「絵を描く」ことより「色」が好きだったという、みつとみ。さん。コーヒーアートを思い立ったきっかけは、コーヒーをドリップする時に見られる「色の変化」でした。
「コーヒー豆を挽いたフィルターにお湯を注ぐと、サーバーにコーヒーの液が抽出されます。はじめは濃い液、それが次第に薄くなっていって、コーヒー色が一滴ずつ波紋のように広がりながら混ざっていきます。その色のグラデーションが綺麗で、見ているのが好きでした」

当時、カフェでケーキ用の皿にチョコレートで絵を描いていたこともあり、「代わりにコーヒーでも描いてみよう」と何気なく思い立ったのがきっかけで、コーヒーアートを描くように。描いてみると、お客さんから「可愛い」と反応があり、次第に「形として残したい」と紙に描くようになったといいます。作品の写真をSNSに載せると、思った以上の反応があり嬉しかったそう。
「コーヒーアートを見てくれて、個展に足を運んでくれた人もいて嬉しかったです。紙に描いて写真を載せたことで、多くの方にコーヒーアートを見てもらえるようになりました」

以来、本格的にコーヒーアートを描くようになったみつとみ。さん。コーヒーアートは、紙にこぼれたコーヒーの模様が広がっていくようなイメージで描いているそう。そのためか、みつとみ。さんの描くコーヒーアートは、ふわっとコーヒーの香りが漂ってくるような、「コーヒーらしさ」を感じます。
「細かいタッチが多いので、はじめは爪楊枝でアートを描いていました。でも水分が入ると折れやすくて、他の道具を探しました。今は竹で道具を作っている方に、アート用に筆を削ってもらって、それで描いています」

「色を重ねて描くと違和感が出ることも多く、描き直すこともあります。描く紙によっては変にテカってしまったり、染み込みすぎてしまうこともあるので、コーヒーの質感が出るようにと意識して描いています」
コーヒーアートを思い立ったきっかけは、好きなものの可能性を広げてくれるから。原点は、香りや味わいだけではなく、見ても楽しめる「コーヒー」を表現すること。そのために、コーヒーの濃度を使い分けて絵の温かさや質感を表現したり、紙や筆にもこだわり、「コーヒーらしさ」が絵から感じられるよう試行錯誤を繰り返しています。
【アトリエはカフェ。人との出会いでアイデアが広がる】
自宅はもちろん、カフェでコーヒーアートを描くことも多いというみつとみ。さん。自分ひとりだと固まってしまうアイデアが、人と出会うことで刺激を受け、形になるといいます。
「絵を描いていると、それを見て反応してくれる人もいるし、絵がきっかけで人とつながることもできます。アイデアだけではなく、他の作家さんと『コラボしようか』という話になることも。自分では思いつかないアイデアが加わって、新しい作品になるのが嬉しいし、大切なつながりだなと思います」

【コーヒーが好きだから、描き続けていきたい】

「コーヒー好き」から始まった、見ても楽しめるアート。
「コーヒーアートを楽しんでもらえたり、『可愛いね』とか反応をしてもらえるのは、『コーヒー美味しいよ』って言われるのと同じくらい嬉しいんです」とにっこり。
日常のちょっとしたものや、人を見て絵が浮かんでくると話してくれた、みつとみ。さん。コーヒーアートでどこまで伝えられるか、そんなことを考えるのが楽しいそうです。取材中に描いていただいた女性の絵も、花が似合う素敵な仕上がりとなりました♩

みつとみ。さんは現在、札幌市内のイベントに作品を提供したり、市内で個展を年に数回開催されています。活動情報はSNSで紹介されているので、ぜひこの機会にコーヒーアートの世界に触れてみてくださいね。
コーヒーアート作家 みつとみ。
みつとみ。さんの活動や作品は、こちらでご覧いただけます。
Instagram @yu.mitsu08
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